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1.油脂療法
2.瀉下療法
3.催吐療法
4.滴鼻療法
5.浣腸療法
6.利尿療法
7.罨法
8.薬浴療法
9.塗擦療法
10.針療法
11.蓬灸療法
12.瀉血療法


浣腸療法とは薬剤に油脂或いは肉のスープ等を加えたものを薬液とし、浣腸として肛門から注入して、大便とともに病原を排出することによって腹部の疾病を治療する方法です。《四部医典》中では二章があてられており、浣腸療法に関する詳細な理論と療法が記述されています。また多くのチベット医学の名著に浣腸療法が紹介されており、今日に至ります。



1.緩導瀉
(1)方薬
柔導瀉方、洗導瀉方、洗柔瀉方の三種があります。

1.柔導瀉方

脂身付の羊肉のスープ、ヤクの乳、溶かしバターに川木香(Vladimiria souliei(Franch.) Ling.)、ヒハツ、カシワの葉、ジエンツァ(Light halite)、アルラ(Terminalia chebula Retz.)を細かく砕きます。単一性のルン病に効果があります。

2.洗導瀉方

水生動物、例えば魚、蛙、オタマジャクシ等の肉のスープ、黄牛の乳、黄牛の乳から抽出したバターを溶かしたものに川木香等薬材五味を加え、更にユーフォルビア・ストラケイー(Euphorbia stracheyi Boiss.)を加えます。ルン病とチーパ病の合併症に効果があります。

3.洗柔瀉方

乾燥地区に住む動物の肉、例えばトラ、豹、鹿、野生ロバ、野牛等、山羊の乳、山羊の乳から採ったバターを溶かしたものに川木香等五味と無患子を加えます。ペーケン病とルン病の合併症に効果があります。

<調節方法>

上述した緩浣腸のうち、
単一性のルン病患者の場合は、阿魏、カルツァ(Purpurea halite)を加えます。
ペーケン病とルン病の合併症患者の場合は、乾姜、ヒハツを加えます。
ルン病とチーパ病の合併症患者の場合は、木藤寥(Polygonum aubertii Hem)、麻の花、ヨモギの花を加えます。
腫瘍がある場合は、硼砂を加えます。
寄生虫がある場合は、シタンカ(Embelia oblongifolia Hemsl.)を加えます。
胃腸が膨張している場合は、川木香を加えます。

(2)用法

柔導瀉方を行う場合、薬の服用量は半捧(両手ですくうくらいの量)、洗導瀉方を行う場合は一捧、洗柔瀉方を行う場合は半捧を標準とします。薬液の温度は30度前後が望ましく、まず薬液を羊の胃或いは膀胱で作った浣腸器に注ぎ、その縛った口の部分に8cm程度の長さの管を通して縛ります。その際先端部分は必ず尖らせ滑らかにしておき、油脂を塗りつけておきます。浣腸の際は、患者をうつ伏せに寝かせ、臀部を高くして、肛門に油脂を塗りつけ滑らかにします。浣腸器内の空気を抜き、それから導管を肛門に深さ3~4cm程度まで挿入します。薬液を注入し、少し残っている程度で注入を停止し、導管を抜き取る。その後手で腹部を揉み解し、便意がある場合は我慢します。できる限り我慢し、我慢ができなくなったところで数回排泄します。その後患者の両足を持ち上げ身体を揺らし、そして足の裏を叩き、引き続き排泄を行います。
柔導瀉方を行う場合は、一般的に日暮れ時に浣腸し、夕方に排泄します。もし時間になっても排泄ができないときは、激浣腸による浣腸を再度行っても構いません。ルンが増大している者、胃熱が比較的強い者は、本法を数回行い、その他の疾病の場合は、一度で止めます。治療後は温水浣腸を用いて排泄を数回行うだけで構いません。



2.激浣腸
(1)方薬
中和、鋭利、温和の三種に分かれます。

1.中和方
ユーフォルビア・ストラケイー、光梗絲セキチク、フィート(Trona)、コウジ、ハンミョウと部屋の梁についている煤を共に細かく砕き、酒貯蔵容器に残った濁り酒を用いて薬液を調合します。
鋭利な武器による傷がある場合は、動物の胆汁を加えます。
急性腹痛がある場合は短尾テッセンを加え、下部の熱症がある場合は大黄を加えます。
腹部に張りがある場合は、角蒿(Incarvillea sinensis Lam.)を加え、寄生虫がある場合はニンニクを加える。寒症がある場合はヒハツを加えます。

2.鋭利方
病状に合わせて加減した後、ステレラ・カマエヤスメ(Stellera chamaejasme L.)を加えます。

3.温和方
アルラ、ユーフォルビア・ストラケイー、秦?(Gentiana macrophylla Pall.)、狼毒、大黄(加工したもの)などを調合します。




 

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